[はあちゅう×内藤 忍]
資産運用するかしないかで未来はここまで変わる!
【Vol.1】
「株とか投資とかって、何となく恐い……」。そんな風に感じている女性は少なくありません。ネット時代の作家として活躍するはあちゅうさんもその一人。今回はそんなはあちゅうさんに、資産形成のプロである内藤 忍さんに向けて、資産運用に関する疑問点をぶつけてもらいました。
Text=Shinji Nii Photo=Ryu Uchida

一番いいお金の増やし方は資産運用
はあちゅう数年前に会社を辞めてフリーになった時から、2、3年先の自分のビジョンも見えていないので、10年後や20年後や、ましてや老後のことを考える余裕はないんですが、その分健康のことは気になっています。このペースでいつまで働けるのかな、と。
内藤体は、本当にいつ何が起きるか分からないですからね。
はあちゅうそうですよね。私も今後のために資産運用についても考えなくちゃと思っているんですが、先延ばしにしている感じがあります。今はお仕事が充実しているので、お金を稼ぐことの方に集中したくて。
内藤それは正しい考え方ですね。お金を増やす方法というのは3つしかなくて、収入を増やすか、支出を減らすか、資産運用するか、それだけなんです。はあちゅうさんは今、収入を増やすことに力を入れている状態ですね。
はあちゅうそうですね。稼げるうちに稼いでおきたいと思っています。あと、資産運用って株や投資信託になると思うんですが、昔から数学が嫌いだったので、利回りが何%だとか数字がズラッと並んでいるのを見ると、うわーって思っちゃう(笑)。それと、やっぱり抵抗感があるんですよね。父が株で失敗したのを見てるので……。

内藤でも、自分の分身みたいな、代わりに働いてくれるような仕組みがあればいいと思いませんか? 調子が悪くて休んでいても、代わりに働いてくれるような仕組みが。それが資産運用なんですよ。さっき話したお金を増やす3つの方法ですが、僕は資産運用が一番いいと思っています。自分ではいつか稼ぐ力がなくなっちゃう可能性がありますから。
はあちゅうそうですよね。親の介護が必要な状況になれば、自分は元気でも、今と同じような働き方はできなくなりますし。でも、何をやればいいかが分からないです。
今の時代、株や投資信託では資産形成は難しい
内藤最近は、お金を貯めるというよりも、お金が入ってくる仕組みを作るのが大事になっています。昔は60歳までに老後の資産として1億円つくるというような考え方が一般的でしたが、60歳になって1億円もらっても、例えば30万円を毎月使い続けると30年でなくなっちゃうんですよ。でも、僕らの世代は100歳ぐらいまで生きる時代になっていて、そうなると60歳から4、50年分の蓄えがないとやっていけなくなる。
はあちゅう4、50年と考えると長いですよね。
内藤セミナーの参加者に、60歳になった時に1億円ポンともらうのと、60歳になった時に死ぬまで毎月30万円振り込みますというのではどっちがいいですか、と聞くと、ほとんどの人は毎月30万円の方がいいっていうんですよ。ということは、60歳までにコツコツ1億円貯めるよりも、60歳以降にちゃんと毎月30万円入ってくる仕組みをつくった方が、圧倒的に安心感があるということなんです。

はあちゅうそう聞くと、必要な気がしてきました。でも「投資は怖い」というのが根本にある気がします。私の父は悲観的なタイプで、私が何をしても止めるんです。会社を辞める時も止められましたし、株も「失敗するぞ」と。基本的にはそういう言葉は聞かないようにしているんですが、刷り込まれている部分はあると思います。
内藤確かに今の時代、株や投資信託といったものでは、井戸から水が湧いてくるようにお金が自然とポタポタ落ちてくるような仕組みはつくれないんですよ。なぜかというと、金利が下がり過ぎてしまっているから。元々株っていうのは値段が上がったり下がったりして、値上がりで儲けるものなんです。安く買って高く売り、一攫千金みたいな感じで。昔は金利が入ってくる債券と値上がりする株をうまく組み合わせて、株で値上がりを狙いつつ債券で定期的にお金をもらって、というのが伝統的な投資のスタイルだったんですが、これがリーマンショックで全部崩れてしまいました。何が起きたかというと、世界的に金利が下がったんですね。日本は今マイナス金利ですから。一方で、株がどうなったかというと変動率がすごく高くなってきて、怖くてできなくなっちゃったんですよ。僕は株と債券だけを使った投資とは、今やオールドファッションだと思っています。
内藤 忍(ないとう・しのぶ)

1964年生まれ。東京大学経済学部卒、マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院修士課程卒(MBA)。大手信託銀行勤務などを経て、1999年にマネックス証券株式会社の創業に参加。その後株式会社資産デザイン研究所を設立。一般社団法人海外資産運用教育協会の代表理事も務める。著作は30冊を超え、『初めての人のための資産運用ガイド』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はシリーズ17万部のベストセラーに。
はあちゅう

ブロガー・作家。慶應義塾大学法学部卒。トレンダーズ勤務などを経てフリーに。「ネット時代の新たな作家」をスローガンに、ネットと紙を中心に媒体を横断した発信を続ける。著作に『半径5メートルの野望」(講談社)など。月額課金制個人マガジン「月刊はあちゅう」が好評。趣味は読書と旅先での可愛いもの採集。