[田丸麻紀スペシャルインタビュー Vol.2]
ママになっても積極的にできることにベストを尽くす
ファッション雑誌『mc Sister』(婦人画報社<現:ハースト婦人画報社>)の専属モデルとしてデビューし、タレント、モデルとして活躍する田丸麻紀さんのインタビュー第2回。意外にも、当時大好きだった雑誌に作り手として関わりたいという思いが、モデルデビューのきっかけだったと言います。
Photo:Yumiko Taruki(TRON) Styling:Hitomi Suzuki Hair&Make=Sadae Sasaki Text=Kaito Sugahara

カーディガン25,000円(ハウント|ゲストリスト 03-6869-6670)、ワイドパンツ53,000円(ラシュモン|ゲストリスト 03-6869-6670)、ピアス46,000円(ココシュニック 03-5413-5140)、バングル9,000円(ヨキ|ココシュニック オンキッチュ 有楽町マルイ店 03-3213-5049) ※表示価格はすべて、税抜表示となります。
朝時間の過ごし方を大切にすることで
前進するエネルギーを絶やさない
──モデルとしてデビューされた頃はハッキリとした将来像があったのですか?
デビュー当時、10代の少女向けファッション雑誌『mc Sister』を愛読していて、実はそうした雑誌を作る編集の世界に携わってみたいというぼんやりとした夢がありました。実際、編集がどういう仕事なのかよくわかっていなかったのですが(笑)。そんな中『mc Sister』の専属モデルオーディションが開催されることを知って「編集部の人に会える!」という思いからそのオーディションを受けたところ、運よく専属モデルとしてデビューすることになって……。当初思い描いていた仕事とは違いますが、結果憧れの世界に携わることができた、という感じですね。
──そこから数々のCMや雑誌で、トップモデルとして活動をされてきた田丸さん。当時はどんな生活をされていましたか。
高校生までは大阪の学校に通いながら毎週末に東京で仕事という生活スタイル。短大に入学した19歳の時に上京して、そこから一人暮らしという感じです。勉強をしながら仕事もこなさなければいけないということと、一人暮らしの大変さはあったのですが、その頃は本当に色んなものを吸収していたように思いますね。ひと言でモデルといってもその雑誌ならではの社会があって、そうした様々な環境の中に身を置くことで、毎日たくさんの刺激を受けたように思います。
──25歳の頃に女優に転身したきっかけは何だったのでしょう?
モデルの仕事を経験していくうちに、世界のコレクションに立ちたいという目標が生まれて、一時期ウォーキングのレッスンに何度も通ったりしていました。でも、当時身長176cm以下のモデルはオーディションにも呼ばれないという状況があって、私にはそれがどうしても越えられない壁だったんです。そうした現実に対面したときに「じゃあ自分には何ができるんだろう」ということを考えた結果辿りついた答えが「演じる」という道でした。私が突き詰めたいものの根底にあるのは「表現力」であって、それを磨くことで越えられる壁があるのであればチャレンジしてみたい、という思いがありましたね。
──ポジティブに「自分だからこそできること」というのを考えてこられたんですね。
そうですね。振り返ってみるといっぱい諦めたこともありながら、自分に与えられたものの中でやりたいことをやってベストを尽くしてきたなって思います。でも「私はこうでないといけない」っていうのは、今でもあまりありませんね。もしかしたら60歳ぐらいになって雑誌の編集の仕事をやりたい!って思うかもしれませんし(笑)。その時々でやりたいことに、柔軟にチャレンジしていきたいですね。
──3年前に長男をご出産されてから、チャレンジすることへの意識の変化はありましたか?
みんなママになると、育児が忙しいということを理由に、家の中に閉じこもりがちだけれど、私は前に進むエネルギーは年々強めていきたいなと思っています。あと、世の中には「お母さんがヒールを履くなんて」とか「お母さんが遊びに出かけるなんて」という風潮があると思うんですけど、私はその考え方は少し違うな、と思っています。やっぱり、ママになるってもっと自由なことだと思うんです。子どものために何かを失うのではなくて、子どもから教えてもらったことを自分自身の価値観が広がるきっかけにして、もっと積極的に外に出ていくべきだと思っています。
──仕事と育児を両立させる秘訣はありますか?
習慣として意識をしていることは、毎日朝の5時、6時ぐらいには起きて、やらなければいけないことを朝のうちにやっつけてしまうということですね。息子が起きる前に軽いトレーニングをしたりとか、家の書類を整理したりとか。そうしたことを朝やってしまうと、色んなことがスムーズに進むんですよ。正直、無理に色んなことを同時にやっていこうと思うと混乱するだけで上手くいきませんから。やれる限り順番に消化していくみたいな感じです。夜はできるだけ息子を早く寝かしつけて(笑)自分の時間をつくるようにしています。
田丸麻紀 MAKI TAMARU
1978年9月4日生まれ。大阪府出身。95年より8年間、CMや多数のファッション誌の紙面を飾り、トップモデルとして活躍。03年に「女優宣言」を経て、女優としての活動もスタートした。17年12月6日には、スタイルブック第2弾「田丸麻紀の春夏秋冬1000コーディネート」(大和書房)を発売。プライベートコーデをはじめ、同世代の多くの女性から注目を集める「田丸流」のファッションスタイルを披露している。